【イベント】2025年11月27日 18:00 - 19:00
グローバル・ジャパン・リサーチ セミナー:「東條英機将軍の記憶:戦後日本の映画的想像力」
イヴォ・プルセック博士(スウェーデン ウプサラ大学ホロコースト・ジェノサイド研究センター 研究員)

本研究では、1945年から現在まで、日本の映画やテレビで東條英機がどのように描かれてきたのかを検証します。国内で制作された映画とドキュメンタリー20作品を対象に、東條の生涯、裁判、そして彼が象徴する意味を作品がどのように扱っているかを分析します。
東條のイメージが「日本への回帰」「名誉回復」あるいは「周縁化の継続」という過程をたどってきたのかを考察し、映画における描写が戦争責任、被害者意識、国家アイデンティティの形成に対する社会の姿勢をどのように反映しているのかを問いかけます。さらに、日本の作品と、東條を外部の視点から描き、しばしば「罪悪感と権威主義」という単一的な物語を強調する外国映画との対比も行います。
こうした比較を通じて、東條を「人間」「殉教者」「怪物」として描く相反するイメージだけでなく、日本の戦時過去を理解するための異なる解釈の枠組みも浮かび上がります。最終的に、この分析は、映画が記憶を形成する場として果たす役割を強調します。東條のような歴史的人物の描写は、日本の歴史をめぐる広範な議論の象徴となっているのです。

日時

2025年11月27日(木)18:00~19:00(日本時間)

会場

オンライン(Zoomウェビナー)

言語

英語

Ivo Plšek氏・スウェーデン ウプサラ大学ホロコースト・ジェノサイド研究センター研究員

専門:近代日本、東アジア、記憶研究。第二次世界大戦の遺産が東アジアとヨーロッパに及ぼす影響、特に日本とドイツに焦点を当てている。ウプサラ大学に着任前は、マサリク大学日本学科の助教授。カリフォルニア大学バークレー校にて政治学の博士号を取得。

GLIF EVENT
終了しました