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象徴的リベラリズムに抗して―対話的社会学のための訴え

Sari HANAFI教授

本発表では、Sari HANAFI教授の著書 Against Symbolic Liberalism: A Plea for Dialogical Sociology に基づき、社会の分断が深まる今日、社会科学者がしばしば自身の批判対象とする不公正を再生産してしまう状況を考察する。多くの場合、研究者は硬直した立場に固執し、異なる視点を退けてしまうことで、問題を助長している。
そこでSari HANAFI教授は「象徴的リベラリズム」という概念を提示する。これは、古典的リベラリズムの価値を掲げながら、実際には非リベラルな政治的態度をとってしまうという矛盾を指している。この矛盾は、現代後期社会の病理―権威主義、経済的不安定、環境破壊―を深刻化させており、しかも合理的な討議がますます難しくなりつつある状況の中で進行している。
現代の分極化を示すいくつかの象徴的な論点を取り上げながら、HANAFI教授は、象徴的リベラリズムが「権利」の普遍性を強調する一方で、対話のための空間をむしろ狭めてしまっている点を批判する。こうした堅固なイデオロギー的姿勢に代えて、HANAFI教授は「対話的転回」を提唱する。すなわち、多様な「(共通の)善」をめぐる考え方が、真正な対話を通じて互いに向き合える、新たな公共圏の構築である。
本発表では、政治哲学・道徳哲学と社会学的批判を融合させ、知的交流がかつてないほど必要とされていながら、かつてないほど脅かされてもいる現在において、前進のための一つの道筋を提示する。
(事務局による訳)

開催日時

2026年2月17日(火) 18:00~19:00(日本時間)

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会場
オンライン(Zoomウェビナー)
言語
英語

登壇者

  • Sari HANAFI教授

    Sari HANAFI教授 Sari HANAFI教授は現在、ベイルート・アメリカン大学にて社会学教授を務めるとともに、アラブ・中東研究センター所長およびイスラーム研究プログラムの主任を兼任。2018〜2023年には国際社会学会(ISA)の会長を務め、また 2017〜2022年にはアラブ社会学誌 Idafat(アラビア語)の編集長を務めた。 近著には、『Studying Islam in the Arab World: The Rupture Between Religion and the Social Sciences』(2024年、Routledge)、『Knowledge Production in the Arab World: The Impossible Promise』、『The Oxford Handbook of the Sociology of the Middle East』などがある。最近では、これらの著作の共著者・編者も務めている。 最新刊は、リバプール大学出版局より刊行された 『Against Symbolic Liberalism: A Plea for Dialogical Sociology』 であり、同書はアラビア語、ペルシア語、トルコ語でも出版され、さらに7言語への翻訳が予定されている。 2022年には英国学士院のフェローに選出された。 (詳細:https://sites.aub.edu.lb/sarihanafi/)

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